なぜセブルス・スネイプは人気なの?|純愛だけじゃない、今の時代に惹かれる理由

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スネイプがこれほど人気なのは、実は二重スパイで正義の人だったとか、リリーへの切なすぎるほどの純愛があったから。

ぱっと浮かびますし、異論はありません。

でも、実は彼は誰よりも自由で、自分に対して、どこまでも正直だった。

嫉妬、劣等感、過去の恨みつらみを決して忘れない陰湿さ。そんな人間の煩悩つめあわせセットみたいな感情を、一切隠そうとしない。

人にぶつけるのは褒められたことではありませんし、人として手本にはなりません。

でも、劣等感を持たない方法、とか、嫉妬しないために、みたいな、自分を聖人にしていく方法ばかりが取り沙汰される中で、その感情丸ごと人間だぜ、みたいに生きてる。

そんなところに、今の時代だからこそ、惹かれてしまうのではないでしょうか。

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目次

ハリー・ポッターの物語の中でセブルス・スネイプが人気な理由

セブルス・スネイプはなぜこれほど人気なのか。

まずは物語に沿ってまとめていきます。

ハリーの母「リリー・ポッター」への一途な愛

なんと言ってもまずはこれ。

スネイプはハリーの母リリーと、ホグワーツに入る前に出会っています。

リリーを遠くから見つめていたスネイプは、思いがけずリリーに話しかけてしまい、そこから二人の友情が始まります。

ですが、ホグワーツに入学してからは少しずつ二人の住む世界がずれていきます。

スネイプはスリザリン寮に入り、怪しげな友達を増やしていく。

リリーはスネイプと友人関係を続けていましたが、リリーへの心無い言葉で二人の友情は壊れてしまいます。

同時に、世界も闇と光で真っ二つに分かれます。

そして、スネイプがヴォルデモートに渡した情報によって、ヴォルデモートはリリーの子供「ハリー」を殺そうと目論みます。

自分のせいでリリーの命を危険に晒してしまったと気づいたスネイプは、命懸けでダンブルドアに、リリーを守ってくれるよう頼みます。

その見返りにダンブルドアに差し出したのが「二重スパイ」という重い鎖でした。

全てはリリーのために。

リリーがこの世を去った後も、ただリリーのためだけにハリーを守り、ダンブルドアの下でその命を危険に晒してきました。

リリーには他に愛した人がいて、自分の気持ちは届かなくて、それどころか彼女はもうこの世にいない。

それでもなお「リリーのために」と生きてきた。

スネイプの一途を超えた、透き通るほど純粋な愛と献身は多くの人の心を打ちました。

二重スパイの恐ろしさ

スネイプの二重スパイは、ヴォルデモートが最も力を持っていた時から始まり、そして、スネイプ自身がその手にかかって死んでしまうその瞬間まで続きます。

ヴォルデモートの元で死喰い人として仕えながら、一方でダンブルドアの陣営に重要な情報を手渡す。

情報だけならいいですが、ときには危険な状況を防いだり、方針を捻じ曲げたり、結構突っ込んだことまでやらされています。

しかも相手はヴォルデモートです。

他人を信じない、猜疑心の塊で、相手の心を読む天才に対して、スネイプはその近くにいながら心を閉じ、隠さなければならないものを隠す一方で、見せておかなければならないことを見せなければいけません。

ぐっと閉じてるだけならまだ楽かもですが、隠しているのに隠していないという自然な状態を保ちながら、一切の疑念を抱かれぬように、側に仕え続けました。

一方のダンブルドアも、正義の人のように見えて、ヴォルデモートと対等に渡り合える力を持った恐ろしい人でもあります。

スネイプに重たい見返りを要求したり、これほどの役目を負わせながらも、全ての真実を明かしてくれないダンブルドアに仕え続けるのもまた、実は身をすり減らすようなものだったのではないでしょうか。

そして、「救えない命」があることも。

二重スパイの最大の命題は「ハリーを守ること」です。

全てを救うことではない。

目の前で手を伸ばせずに消えていく命に、スネイプ自身が歯痒い思いを抱いていたことも、私たちは最後の最後に知らされることとなります。

最後までハリーたちの戦いを見てきたからこそ、この綱渡りがとんでもなく恐ろしいことは説明されなくても伝わってきます。

そして、それを「ただ愛した人のため」でやってのけたスネイプへ、私たちは尊敬を超えた畏怖みたいなものを強く感じているのではないでしょうか。

善悪では語りきれない複雑な人物像

これが普通にいい人だったら、ここまでの人気になっていなかったはずです。

スネイプは登場した瞬間からめちゃくちゃ嫌なやつです。

そもそも彼を描く描写が「土気色」とか「ベッタリ張り付いた髪」とか、重要なキャラクターの表現じゃないわけです。

ハリーだけでなく、ネビルやハーマイオニーへの態度などなど、嫌な奴と判断する要素しかありません。

それが、裏でめちゃくちゃ命を張っていた。

しかも、たった一人の人のために。

そしてその真実が明かされるのは、物語の本当に本当に最後です。

ハリーに託された「スネイプの記憶」を通して、私たちは真実を知ることになる。

でも。

もうその時に彼はいない。

誤解されたまま命の火は消えて、むしろ誰にも知らせてくれるなとダンブルドアにお願いしていた…なんてもう、「漢」じゃないっすか。

このとんでもないどんでん返しに、心を揺さぶられる。

というかどれだけ自分たちの視界が狭いのか、好き嫌いって、本当に浅いよな、と。

ごめん、スネイプ。と思わせる物語の力が、彼の勇敢さや美しさを際立たせているように思います。

名優アラン・リックマン

そして最後は、映画でセブルス・スネイプを演じた「アラン・リックマン」の存在です。

くぐもった声の陰湿さや、べっとりした感じ、ハリーを見る冷たい目。

そして、物語が最後にたどり着いた時の、悲しい真実。

それらが幾重にも重なって、セブルス・スネイプという勇敢で、悲しいほど美しく、まっすぐな姿が、物語のなかで際立ったように思います。

でも、それだけじゃない。私はもう1つ別の理由があると思っています。

ただリリーのために、セブルス・スネイプの自由さ

物語の中でのスネイプは、二重スパイ。しかも相当な命懸けです。

ダンブルドアにもウォルデモードにもその立場を縛られているように見える。

でも、実はあれほど自分の感情に素直に行動した人はいなかったのではないかと思うのです。

だってよく考えてみてください。

ハリーへの態度、生徒たちへの態度を。

反対に、自分の寮の生徒たちのことは、ひたすらに可愛がる。

えこひいきも良いところです。今の時代だったら、大問題。笑

ジェームズに似ているから、と言ってハリーをいじめていると思っていましたが、リリーが死んでしまったのは、よくよく考えると、ハリーのせいでもあるわけで、ハリーを守ったせいでもあるわけで。

スネイプがハリーをいじめた理由は、そんなところにもあるのかもしれません。

だからといって、大人があんなに自由な態度をとって良いはずがない。

それなのに、実は恨んでいた憎んでいた人たちすら助けようとしていて、もっと言うとハリーのことも助けようとしていて。

だけど、それは世界のためとか正義のためとか、そんな大きなことではなくて。

ただ自分のため、ただリリーのため、その1つの信念だけで、生き抜いた。

それがどんなに今の時代に否定されることだったとしても、人として褒められることじゃなかったとしても、どこか心の奥底で、私たちはその生き方に惹かれているんじゃないかと思うのです。

▪️そう考えると彼は本当に「報われない愛」に生きたのかしら?と思えてきます

今の時代だからこそ、スネイプの堂々たる態度に惹かれる

本屋にもネットにも溢れているのは「みんなに愛される方法」です。

より良く、より美しく、優しく。

後悔をするな、嫉妬するな。毎日笑顔で接すれば相手も変わる。

自分を丸く丸くしていくようで、本当に大事なものまで一緒に削り取っているような痛みを無視しながら。

そうやって私たちが探しているのは、いつだって自分が救われる方法です。

自分ではない誰かの気持ちをなんとかしようとしている浅はかさを隠して。

でも、スネイプは違います。

ジェームズに嫉妬する、かっこいいシリウスや生徒から慕われるルーピンへの態度は大人のそれとは思えません。(お互い様なところもあるけど)

ねちっこいし、思いっきり拗らせています。

けど、堂々としてる。

ハリーのことも、色眼鏡をかけてしか見れないし、見ようとしない。

丸く、どころかどんどんトゲトゲしていく。笑

>>スネイプはハリーを愛していたか、なんて疑問も湧くはずですよね。

そして、深く深く、後悔している。

むしろ後悔を生きているし、絶対に後悔を捨てることはありません。

自分が感じたこと、信じたことを何一つ捨てないし、何一つ無視しない。

丸ごと抱えて生きてこうとする姿には、潔さと強さすら感じてしまいます。

だからスネイプの生き方を、良い生き方だなぁ。

うらやましいなぁ。

むしろずるいな、とすら思ってしまうのではないでしょうか。

>> いい人?悪い人?本当の彼の姿を探してみませんか?

まとめ

自分の命をかけて、自分の命そのものを誰かのために生きたこと。

それが自己犠牲ではなくて、自分のためだったこと。

どこまでも自分勝手で自分の気持ちに正直で。

そんな生き方が、今の時代にこそ「うらやましい」と羨望のまなざしで見つめられるのではないでしょうか。

ただ、そんなこと表立って言えない時代です。

自己犠牲一途な純愛、そんな言葉を隠れみのにして、実はその自由な生き方そのものに憧れているのかもしれません。

▪️スネイプのこころを「声でつかむ」、大人だからこその楽しみ方があります‥

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