スネイプを検索するとやっぱり出てくる、「報われない愛」。
かわいそう、気の毒、切ないみたいなイメージ強いですよね。
でも本当にそうだったのかと。
なんだかおせっかいな周りが、そう言っているだけで、
本当は違ったんじゃないか。
そんなふうに、彼を見つめてみると、その生き方そのものも違って見えてくる気がします。
報われない、は誰の気持ち?スネイプ自身が生きたもの

もし、スネイプがリリーに抱いた気持ちが「恋」だっとしたら、実らない恋だった。
これは間違いないですよね。
リリーが選んだのは、よりにもよってジェームズでしたし。
最悪ですね。
その間、スネイプが何を思ったのかは、物語の中では描かれないのではっきりとわかりません。
次にスネイプがリリーへの思いを口にするのは、自分がとんでもない過ちを犯したと気づいたときでした。
>>リリーという存在そのものについて、こちらの記事でも考えてみました。
ダンブルドアに、リリーを助けてくれと頼むときです。
どんな形であれ、リリーへの想いはスネイプの心の中に残っていた。
そして、命懸けで、ダンブルドアを頼った。
なんだかもう、愚かで自分勝手な若者の象徴みたいな感じでしたが。
でも、リリーはこの世を去ってしまった。
引き金の1つを、自分が引いた。
リリーへの愛に、違う色が混じります。
後悔なのか、贖罪なのか。怨みなのか。絶望なのか。
悲しいほどに、渦巻く感情の嵐の中で、ダンブルドアは「ハリーを守れ」と言う。
リリーのために。
リリーが護ろうとしたものを、護るために生きる。
そう誓った時、荒れた海がすっと凪ぐように、全てを飲み込んだ愛の光が、彼の真ん中に静かに灯った。
その灯りを灯し続けることで、スネイプはリリーのいない真っ暗な世界を生き抜いたのではないでしょうか。
その気持ちは、愛する人に届くことはなく、周りの誰からも気づかれることはない。
でももう、それでいい。
スネイプ自身はそうだったんじゃないかと思ったりします。
それに、考えてみればなかなかに自由に生きてますよね。彼は。
お腹の底にリリーへの想いを明るく灯して、ハリーにリリーを奪った恨みと、なぜかジェームズへの恨みまでぶつけて、かつてのいじめっ子に、一矢報いて。
やりたい放題です。笑
でも。
読んでるこっちは、切なくてもどかしい。
ダンブルドアも思った。
これであまりに報われない。と。
alwaysとfor Lily

だから、ハリーにとって知る必要がある記憶の中に、スネイプの真実を紛れ込ませて、
せめてハリーにだけは届くように仕組んだのではないかと、私は邪推しています。
スネイプの愛を、想いを利用してしまった、罪滅ぼしに。
スネイプの記憶の中で、ダンブルドアとスネイプが話す、あの有名な場面。
「ハリーに気持ちが移ったのか?」と尋ねるダンブルドア。
ハリーのことを愛するようになっていったんでしょ、実は。という意味ですよね。
でも。返ってきた答えは、ダンブルドアの想像を超えていた。
スネイプは「彼に?」と応える。
ここのトーンは、英語版のオーディブルで聴くと、怒ってる。…というかほぼブチギレてるんです。笑
驚くダンブルドアに、とどめの一撃で、「always」と応える。
日本語だと、もっと静かな場面のイメージです。スネイプの「彼に?」という言葉もどれだけ大げさに見ても皮肉レベルです。
そこへ「永遠に」とくると、もう紛れもなく静かな愛の告白ですね。
でも。
もしかしたら、その奥にあるものは違っていたのかもしれなくて。
いつも心の真ん中にある灯りが、リリーへの想いそのもので。
彼の生きてきた時間そのもので。
いつもここにある、なんてこと以上に、「それがなかったら自分はいないよ」くらいの。
よく考えたらそうなんです。
「for lily」で生きてきたのに、「for him」なんて。
彼の人生そのものの否定です。
彼の「for」はリリーだけのもの。
そして彼そのものだから。
報われない、って外野からの勝手な感情なんですよね。
だってもう、リリーはいない。
絶対に、想いが届くことはない。
でも、生きていくと決めたから。リリーのために。
▪️スネイプの心から見えるリリーの面影とは…
まとめ
意地悪で思いっきり悪役の先生が、実は正義のヒーローで、しかもその根っこは「純愛」だった。
そのまっすぐな愛と、一番いい部分を誰にも知られず命を閉じてしまったことが、
なんとも切ない…報われない愛だ。
と、心苦しくなっていました。
それもまた、一つ。
でも、もう少し、
後悔や贖罪、嫉妬や絶望。
綺麗な色をした愛とはちょっと違ったものが見えてくる。
リリーがいないという事実をまっすぐに受け止めて、
それでも生きるために、その複雑で深い色の灯りを燃やし続けた。
それが、セブルス・スネイプその人だったのではないか、なんて思ったりします。



