「あらすじ」の類を読んで、
・・子供向けか
と思っていませんか?
この記事では、作者本人が出版社に持ち込んだ「賢者の石」のあらすじ、つまり「超本物最強」のあらすじをもとに、賢者の石を紹介します。
ちなみに「ハリー・ポッターと賢者の石」のあらすじを一言で言うと・・
ある少年が魔法使いの学校へ行く。
ハリー・ポッターと魔法の歴史
英語では、
a boy wizard who went to wizarding school
stories jkrowlong
これは「あらすじ」より、もっともっと短くその本の内容をまとめた「ログライン」というものです。
この「ログライン」に惹かれて、ハリーポッターの映画7作の脚本を執筆したスティーブ・クローブスさんは、本を手に取ったのだそうです。
子ども向けの「魔法ファンタジー」などではない、ハリーポッターの魅力を、スタジオツアー東京の写真を交えて紹介します。
※「あらすじ」なので、大筋のネタバレが含まれます。
▪️本はこちらから
ハリーポッターの原作者が書いた「賢者の石」のあらすじ
ハリーポッターの作者J.K.ローリングは、出版社などに「賢者の石」の最初の数章に添えて「あらすじ」を配ったそうです。
この「あらすじ」がきっかけとなって、「ブルームズベリー」と契約し、ハリーポッターが出版されることとなりました。
そんな「あらすじ」が、公開されたのが「ハリーポッターと魔法の歴史展」です。
当然英語で書かれていますが、この「あらすじ」がめちゃくちゃ面白い。
あらすじを伝えながらも、それで読んだ人を満足させることはなく、
え?それってどういうこと?
と、続きを詳しく知りたなる「最高のあらすじ」なのです。
この記事では、これを元に第1巻「賢者の石」のあらすじを紹介したいと思います。
ちなみに、ハリーポッターの原作者J.K.ローリングは、ハリーポッターの出版前は全くの「無名」でした。
ブルームズベリーが出版を引き受けるまで、なんと8社の出版社に持ち込んで、ことごとく断られたのはもはや有名な話です。
後に、「児童書の出版史上、最も成功した事業」と広く認められた「ハリーポッター」の始まりをお伝えします。
▪️大英図書館で行われた展示については…
ハリー・ポッターと賢者の石の「あらすじ」
10歳の主人公「ハリー・ポッター」は、小さい頃に両親を交通事故で亡くした(と言い聞かされていた)ために、おじさん・おばさん・いとこと一緒に暮らしています。
おじさんたちは、ハリーが質問することを禁止していましたし、ハリーの周りでハリーの意思に関係なく起こる「不思議な出来事」の全てを心の底から嫌悪していました。
なぜかというと・・
ハリーが「自分が、本当は何者であるか」を知ってしまうことを恐れていたからです。
おじさんたちが、ハリーの中から「おかしなこと」を追い出そうと躍起になってきたところへ、突然ハリーに「手紙」が届きます。
ハリーが11歳の誕生日を迎える直前に届いたこの「手紙」は、ハリーにとって人生で初めて手にした自分宛ての手紙でした。
どうしても読みたいハリーに対して、おじさんたちはハリーが読むことを何としてでも阻止しようとします。
とんでもない長い格闘の末、ついに、ハリーが11歳の誕生日を迎えた瞬間、ハリーの手に「手紙」が渡ります。
手紙を渡したのは「ハグリッド」という名前の大男でした。
そのとき初めて、ハリーは「自分が魔法使い」であることを知ります。
ハリーに届いた大量の手紙は、魔法使いの学校「ホグワーツ魔法学校」からの入学許可証だったのです。
さらに、おじさんたちの恐れていたハリーの過去に関する「真実」がハグリッドの口からハリーに伝えられてしまいます。
ハリーの額に刻まれた「いなずま型の傷」は交通事故による傷ではなく、強大な闇の魔法使い「ヴォルデモート」につけられたものであること。
さらに、両親は交通事故で死んだのではなく、ヴォルデモートに殺されてしまったという真実です。
そして、ヴォルデモートの魔法を受けたにも関わらず「生き残った男の子」として、ハリーは魔法使いの世界では知らない人がいないほどの超有名人だということ。
図体のデカいいじめっ子の「いとこ」のせいで、友達もいない、家族もいない。
孤独そのものだったハリーが魔法使いの世界に飛び込み、新しい人生を自分の手で切り開いていく物語が始まります。
ロンドンにある「魔法使いの町」ダイアゴン横丁へ
ハリーはハグリッドに連れられて、ロンドンへ入学準備のための買い物に出かけます。
ホグワーツで必要なものは…
- 魔法使いのローブ
- 杖
- 大鍋
- 教科書
- 魔法薬のセット
など、ワクワクするようなものばかりです。
教科書はここ・・!
ホグワーツ魔法学校へ「9と4分の3番線」から出発
そして、ホグワーツ入学の9月1日。
大きなトランクとふくろうの鳥籠を抱えたハリー。
両親たちがそうしたように、ロンドンのキングスクロス駅にある魔法使いしか知らない「9と4分の3番線」からホグワーツに向けて出発します。
魔法学校での「魔法の授業」
ハリーはホグワーツで、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーと友達になります。
ロンは、家族の中で6番目にホグワーツに入学し、兄弟たちのお古の教科書にうんざりしています。
ハーマイオニーは学年で一番賢い女の子で、クラスで唯一「ドラゴンの血液の活用法」を全て知っています。
ハリーは彼らと一緒に、初めて魔法の授業を受けます。
午前2時に最も高い塔で「天文学」。
「薬草学」はマンドレイクやトリカブトが栽培されている温室で行われます。
そして、地下室で行われる「セブルス・スネイプ」による「魔法薬」の授業。
ハリーたちの魔法学校での生活
ハリー、ロン、ハーマイオニーの3人は、ホグワーツで「秘密の抜け道」を見つけたり、ポルターガイスト「ピーブズ」の扱い方や、巨大な「トロール」との戦い方を学んだりします。
さらに、ハリーは魔法界で大人気のスポーツ「クィディッチ」で大活躍します。
(魔法使いが箒に乗って行う「フットボール」みたいなもの)
3人がたどり着いた魔法界に迫る「危機」
3人にとって一番気になるのは、厳重に守られている3階の廊下のこと。
ハリーにホグワーツからの手紙を届けた、ホグワーツの鍵と領地を守る番人「ハグリッド」から得た手がかりをもとに、ハリーたちは「賢者の石」がホグワーツにあることを突き止めます。
賢者の石は、富と永遠の命を手に入れることができるもの。
3人は、魔法薬学の教師である「スネイプ」が、この賢者の石を盗もうとしていることに気づきます。
賢者の石が、間違った人の手に渡ってしまったら恐ろしいことになってしまう・・。
ヴォルデモートが強さと力を取り戻し、復活するために利用されてしまったら・・。
幼い頃にどうやって生き延びたかも分からないまま、ハリーは両親を殺したヴォルデモートと対峙することになります。
「あらすじ」に仕掛けられた魔法
この「あらすじ」にはものすごく沢山の魔法が仕掛けられています。
一見すると、これが全て・・に思えるかもしれません。
犯人だって、トリックだってわかっているじゃない?と言いたくなる気持ちもよくわかります。
ですが、忘れてはいけないのが、ハリーポッターの物語はこの後7巻まで続く・・ということ。
ハリーとおじさん、おばさん、いとこの関係
このあらすじには、ハリーがそれまでの11年間、どんな環境に置かれているのか、そこからどう魔法の世界を受け入れるのかが、かなり「しっかり」と書かれています。
おじさん、おばさん、いとこに疎まれ、いとこがいじめっ子のリーダーのせいで学校で友達もできない。
そんなハリーの状況があるからこそ、自分宛ての手紙がどれほどの意味を持つものなのかということや、自分が本当は何者なのか分かった時の驚きと嬉しさ。
そして、その後の魔法の世界や、ホグワーツでの生活が、ハリーにとってどれほど大切で価値があるものなのかが分かりますし、ハリーの行動の強い動機となっていきます。
「おじさん、おばさん」の家に「いなければならなかった」ことも、この後の物語に巧妙に織り込まれていきます。
それに、何よりいいのが、ハリーが暗くないこと。
ハリーポッターが出版された当初の評判はかなり地味だったようですが、こんな書評をされていたそうです。
ハリーは「優しいが感傷的でなく、負けず嫌いだがいつも思いやりを忘れない、大いに好感の持てる子供」
ハリー・ポッターと魔法の歴史
かなり気の毒な生い立ちであるにも関わらず、ハリーには暗さがなく、むしろ自分自身が生きていく本当の居場所を見つけたという前向きな「希望」で満ちています。
そんなところも、ハリーポッターの物語の魅力の1つなのかもしれません。
魔法学校での生活はほんのさわり
一方で、魔法学校「ホグワーツ」での生活については、ほんの少し箇条書きされているだけ。
ですが、箇条書きにも関わらず「午前2時に最も高い塔で天文学」とか、その様子が目に浮かぶような表現がされています。
「クィディッチ」って何?
トロールって何?
・・っていうかポルターガイスト・・?
科目が3つなわけがありませんし、まだまだ他にも溢れんばかりの「専門用語」がこの「あらすじ」の裏側に存在しています。
確かにラストに向けた展開は、しっかり書かれていますが、その言葉や展開の選び方が全て次の物語へ向けて繋がっているという・・。
いや、これ以上は続きを本編で読んで、
そういうこと・・!
ってなって下さい。
◾️最初の1章まるごと試し読みも…!
まとめ
「ハリーポッターと賢者の石」のあらすじを、原作者であるJ.K.ローリングが出版社に持ち込んだ「あらすじ」をもとに紹介しました。
正真正銘の「あらすじ」。
それから、位置付けとしては「児童書」として出版されたハリーポッターですが、作者のJ.K.ローリングは、「児童書として書いたつもりはなく、自分が楽しめるものを書いた」と話しているそう。
多くの子供たちが虜になった物語ですが、巧妙に練られた構成というたくさんの糸が、絡まって繋がって・・分岐して・・
という本当の凄さは、大人だからこそ理解できるものだとも思います。
そのすごさを子どもは無意識に感じ取るということなのでしょうか。
そんな「ハリーポッターと賢者の石」の物語。
あらすじで満足せず、「本物」に触れてみませんか?
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