スネイプ先生の「永遠に」は英語ではAlways?日本語だけでは気づけなかったこと

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スネイプの「永遠に」の言葉で終わる名場面。

英語では”Always”。

foreverじゃないんですよね。

そう思って英語版Audibleで聴いてみると、このシーン、私がこれまで思っていたのとはちょっと違う…

いや、全然違うように聴こえてきます。

英語ではこうです。

“After all this time?”

“Always.”

静かなシーン、長〜い間のあるシーンだと思っていたのですが、ここ、”Always.”が、即答なのです。

ものすごい速さ。むしろ食い気味。

今さら何?くらい。

「永遠に」の一言は、スネイプの印象をガラリと変えるものだったはずで。

ずっと意地悪で嫌なやつで、人間なの?って思っていたスネイプが「心」を見せたんだ。

‥と思っていました。

もしかして、違う…??

本当の意味での英語のニュアンスはわかりません。

でも耳で聴くと、頭で考えるよりずっとスネイプの心のうちが見えたような気がしました。

▪️Audibleでこのシーンだけでも聴いてみてほしい‥!

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目次

スネイプの「永遠に」はAlways?英語で聴くと印象が変わる

第7巻、最終巻「死の秘宝」に登場するこの1シーンは、スネイプの記憶をペンシーブを使って覗くハリーの視点で描かれます。

永遠に、で共有される深い悲しみと愛

件のシーンはこうでした。

スネイプはダンブルドアから、ハリーを待ち受ける運命を聞かされる。

驚くスネイプに、ダンブルドアがこう問いかけます。

「 なんと、セブルス、感動的なことを」ダンブルドアは真顔で言った。

「結局、あの子に情が移ったと言うのか?」

「彼に?」スネイプが叫んだ。

スネイプは呪文を唱え、守護霊を呼び出す。

その守護霊の姿は、牝鹿(めじか)だった。

リリーの守護霊と同じ、牝鹿。

スネイプに向き直ったダンブルドアの目に、涙が溢れていた。

「これほどの年月が、経ってもか?」

「永遠に(とわ)」スネイプが言った。

・・・・

・・・ほぅぅ…、なんと美しいシーンだ。

そう思ってきました。

スネイプの誓いのような静かな愛の言葉と、それを知って深く同情するダンブルドアの静かな胸の震え。

そんなちょっと重たくて神聖なシーン。

永遠に、の言葉の後に続く、静かな沈黙。

スネイプの愛に、ダンブルドアが寄り添う、そんなシーン。

…と信じて疑わなかったわけです。

Audibleで聴くと「Always」の意味が全く違って聴こえる

ではオーディブルだとどう聞こえるのか。

「Always」の場面を英語で聞いてみる

書いて表すのは難しいですが‥

“After all this time?””Always.” And the scene shifted.

くらいのイメージ。

ダンブルドアは、かなり驚いた口調になっています。

それに対してスネイプは、もはや食い気味に、さらりと答える。

「今さら、何を」、くらいの軽い感じ。

それを感じた後で、ちょっと前のシーンに戻ってみると、なんだかパトローナスを出すシーンすらめんどくさそうに見えてくる。

何度言っても、自分の想像からしかものを考えないおじいさんに、言ってもわかんないから、「ほらこれ見たらわかる?」くらいの。

ダンブルドアの心を震わせた、スネイプの想い

ダンブルドアもまた、違って見えてきます。

オーディブルのダンブルドアは明らかに驚いています。びっくりしてる。

ハリーを守るという名目のために、スネイプのリリーへの想いにつけ込んで、利用してきたスネイプの心を、自分は全く理解できていなかったということに。

変わらない愛の形に。

スネイプの記憶の中でも、物語の他のシーンでも ダンブルドアは他の誰より常に一歩先にいるように描かれます。

いつも彼が優位です。

ですが、この場面だけは違う。

ダンブルドアが、分かりたいと思い続けてきたのに、わからないもの。

愛という言葉を口にしてきたダンブルドアより、ずっと強く愛そのものを生きていたスネイプ。

完全に立場が逆転します。

ダンブルドアは、人がどう動くか、世界がどう動くかを寸分違わず読んできました。自分の死後ですら。

ヴォルデモートも同じで、恐怖で人がどうなるか、弱さをどう突けば思い通りに動くのかを知っていた。

でも、人の思いや愛、勇気、そういう「美しいもの」が、強く強く動いた時、どんなことが起こるかは、理解していなかった。

そんなダンブルドアの前に、「あまりに当たり前すぎて、言葉にするのさえ面倒ですわ」みたいな軽さで、サラッと見せつけられた愛の姿。

それに、ただただ驚いた。

そんなシーンに見えてきて、なんだかいても立ってもいられなくなって、記事にしてしまったというわけです。笑

振り返ってみると、スネイプは全ての行動が一貫しています。

「消えてしまいたい」と思いながら、それでもリリーのために、と誓った日から、スネイプだけは変わらなかった。

リリーの子どもだから、とハリーに気持ちが移ることもなく、リリーのためだから守るけど、お前はポッターの子。だから嫌い、以上。

それでずーーっと一貫しています。清々しいくらい、自分の心に正直だったのかもしれません。

>>「いい人」だけでは語れませんよね。本当はどうなのか…こちらで書いています。

スネイプが本当に感情を見せたのは「永遠に」の言葉じゃない?

「永遠に」の場面は、スネイプが見せた人間らしい感情で、温かい心だと思っていました。

でもどうも違う。

永遠に‥の余韻ゼロ?

ここはスネイプにとって大したシーンじゃない。

それを裏付けるように、オーディブルでは、スネイプの「always」の後に「間」がありません。

すぐに、地の文で「And the scene changed.」が来る。

え?え?もういっちゃうの?余韻は?おお??と、置いてけぼり感がすごいです。

そこだけリピート3回目くらいで、ようやく「ま、まぁ…そういうことも」とついていけたような気がするくらい。(全然Andが入ってこない)

私たちが見ているのはスネイプの記憶で、スネイプにとっってはごくごく当たり前のことだからこそ、さっさと次の場面に行っちゃう。

もしこれがダンブルドアの記憶だったら、alwaysの言葉の後に、ダンブルドアの表情の描写とか、なにかしら余韻みたいなものがあったかもしれないけれど。

スネイプにとっては当たり前で、あたりまえすぎて、はい次、って次の場面に行っちゃう。

「記憶」そのものにあふれた、スネイプの感情

そうなると、スネイプの感情が溢れたのは、「永遠に」のシーンではなく、「僕を、見てくれ」というあのシーンなのかもしれません。

もっと言うと、スネイプがハリーに渡した「この記憶」。

ハリーに渡された「記憶」には、「ハリーが知らなければならないこと」以外に、スネイプとリリーの若き日が混じっていました。そう「混じってた」。

なんだか自然に読み進めてしまっていたのですが、よく考えれば不思議ですよね。

リリーとの喧嘩や自分の過ちは、ハリーに渡す必要のない記憶のはずです。

うっかり「渡してしまった」んじゃないかとすら思えてきます。

でも、ハリーの手に渡った。

こと切れる瞬間に見た、あの緑色の瞳に、他の多くの人と同じようにスネイプもリリーを見ていた。

そして、ハリーに真実を渡す使命と同じくらい、強く、リリーとの日々を愛し、悔やんでいた。

それが混じって「渡ってしまった」。

そうだとすれば、いつも静かで、感情を隠し続けてきたスネイプが唯一見せた、見せてしまった自分の心だったのかもしれません。

許して欲しいでもない、わかって欲しいでもない。

ただ、強く強く心に何度も刻みつけてきた思い出だけを、彼は上手く扱えなかった。

誰よりも、心を静かに、ヴォルデモートに対してすら完璧に隠し通してきた彼が、唯一「揺れた」。

もしかすると、この「混じり」も、ダンブルドアの采配だったのかもしれません。

スネイプの最も良いところを、誰も知らずに終わってほしくない。だから、渡さなければならない記憶に、スネイプの真実をちゃんと混ぜた。

ただ、ハリーへの愛を語ると思っていたその読みは外れて、自身も驚くほどの強い愛を見せられて驚いてしまった‥なんて想像もまた、素敵ですね。

そうやって不思議に混ざった記憶がハリーに届いたことで、ハリーの息子は「セブルス」の名前を受け継ぐことになる。

許されることはなく、愛が届くこともなく、愛を受け取ることもなかったけれど、切れてしまった結び目が、もう一度結ばれたような優しさが広がります。

▪️知らないはずなのに知っている気がするリリー。スネイプの目にはどんなふうに映っていたのでしょうか。

リリー・ポッターはなぜこんなにも心に残るのか|登場人物たちの中で生き続けた面影

まとめ

よく知っているはずの場面、好きなシーンの中に必ず入りそうな場面が、これまでとは、ちょっと違って見える。

これって、ハリー・ポッターに触れたことがある人だからこその贅沢だと私は思います。

そして大人になって、もう一度物語の世界を旅したからこその贅沢だと。

しかもこれは、ただ「英語」だからじゃない。

原書で文字を追っているだけでは、私はこれを拾えませんでした。

“After all this time?”

“Always.”

And the scene shifted.

これだけじゃ今までの理解で読んじゃうので、やっぱり静かな愛のシーンな気がしてしまう。

オーディブルで聴くからこそ、そして聴き続けることで生まれる面白さだなと思います。

‥ダンブルドアの涙も、違った意味に見えてきました。それはまた次の記事で。

▪️聴き続けて生まれた変化はこちらにまとめています

▪️スネイプは本当に報われなかったのか、今なら別の姿を見つけられるかもしれません

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