ハリー・ポッターの作者、J.K.ローリング。
ハリーポッター以外の作品はなかなか話題になりませんが、呪いの子やファンタビといったハリーポッターシリーズ以外にも作品があります。
ハリーポッターの流れを継いだ作品もあれば、もう「超・大人向け」の作品も。
私は実際につい最近、子ども向けの童話・・と侮っていた「イッカボッグ」を読んで、頭をガツンとやられました…。
やっぱりこの人の描く物語って素敵だなと改めて。
さらに、ハリポタのファンタジーとは雰囲気が変わりますが、現在もシリーズ「私立探偵コーモラン・ストライク」を絶賛執筆中です。
イギリスのBBCでドラマ化もされています。
この記事では、ハリーポッターを含むJ.K.ローリングの作品を全てまとめてみました。
▪️ハリポタシリーズの「次」が知りたい方はこちら(↓)
ハリーポッターの作者「J.K.ローリング」の作品一覧
J.K.ローリングの作品を一覧にしました。
ハリーポッターシリーズ
ファンタスティック・ビースト
ハーバード大学でのスピーチ
「カッコウの呼び声」は、「私立探偵ストライク」のシリーズで、現在7作品目まで出版されています。
(日本語訳版は2作目まで)
ハリーポッターの原作者「J.K.ローリング」って?
ハリーポッターの本の帯には、写真付きでJ.K.ローリングの簡単な紹介が書かれています。
1965年生まれ。乳飲み子を抱え、生活保護を受けながら書いた『ハリー・ポッターと賢者の石』は、2007年7月にシリーズ全七巻が完結した。
私がハリーポッターを読んでいた時に知ったローリングは、このくらい。
ですが、作者が何を考え、どう生きてきたかは物語を通してしっかりと子どもの心に届いていました。
ファンタジーらしくない現実感と冷たさ
ハリーポッターの世界がただのファンタジーだと捉えるなら、作者のローリングはきっと、本の世界で空想にふけった、幸せな理想主義者と思いたくなるかもしれません。
でも、ハッキリとそれを知覚出来なくても、ぼんやりと心に残るのは「現実感」。
ハリーポッターは、どこまでも現実的であるということ。
ファンタジーの最強の武器である「ご都合主義」がないので、時に冷たく感じるほどの冷静さと現実感を持って迫ってきます。
それでもそこには「優しさ」や「愛」がある。
どんなに真っ暗な闇も、必ず光を灯す力がある。それをいつでも伝えてくれるのがローリングの作品です。
それはなぜなのか。
答えはローリングがハーバード大学の卒業式で行ったスピーチの中にありました。
とても良い人生のために
ローリングは、大学卒業後、一時アムネスティ・インターナショナルで働いていました。
その小さなオフィスで私は、投獄の危険を冒しても、自分たちの身に起こっていることを外の世界に告発しようとした人々が走り書きし、全体主義政府の目を潜り抜けて持ち出された手紙を、幾つも読みました。跡形もなく消えてしまった人々を必死に探す家族や友人がアムネスティに送ってきた写真を、私は目にしました。拷問された人々の証言を読み、受けた傷の写真を見ました。
とても良い人生のために
20代初めのローリングの心に刻まれた人間の恐ろしさ。
権力を手にしたり維持したりするために、人間が同じ人間に対してどれほどの悪を犯すものかの証を、私は毎日のように次々と見てきました。
とても良い人生のために
ですが同時に、アムネスティで活動する人々の「他人を思いやる力」に触れ、人間の善良さについても多くを学び心を動かされます。
このスピーチの内容を知って、ローリングの物語を改めて眺めると、物語の中にある冷静さと、深い温かさの根底に流れているものに気付きます。
信じられないほどの悪夢を生むのが人間であるのと同時に、他人を思いやる気持ち、「想像力」を持つことができるのもまた、人間だけであるということ。
その力を、あなたはどう使うのか。
そう何度も繰り返し問いかけられているような。
だからこそ、ローリングの描く「魔法」ほちっとも夢の道具ではなくて、時に人を誘惑し、他人を思い通りに支配しようと傾きます。
それを打ち破るのは、同じように「強い魔法」ではなく、人として誰もが持っている大切なもの。
友情や愛情や、他人を思いやり、想像する力を、夢物語ではなく現実の中で強く感じているからこそ、簡単な言葉であっても、深く強く心を打つのだと思います。
まずは、ローリングが世の中に出るきっかけになった、ハリーポッター関連の作品からまとめていきます。
J.K.ローリングが描いたハリーポッターの世界
ハリーポッターは7巻の小説です。
7作品目で物語は完結しますが、その後、続編となる「呪いの子」が舞台作品として生まれます。
他にも、チャリティーのための作品として、ハリーたちがホグワーツで使った教科書や、物語の中に出てくる「御伽噺」なども出版されています。
▪️賢者の石のあらすじを読んでみる
【本が読みたくなる】「ハリー・ポッターと賢者の石」あらすじを一言&簡単解説
ハリーポッター本編
ハリーポッターの本編は7作品。
- ハリー・ポッターと賢者の石
- ハリー・ポッターと秘密の部屋
- ハリーポッターとアズカバンの囚人
- ハリー・ポッターと炎のゴブレット
- ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
- ハリー・ポッターと謎のプリンス
- ハリー・ポッターと死の秘宝
本で読むと色々なバージョンがあります。
(装丁やルビの違いですが)
▪️本の種類については
さらに7作目のラストシーンから繋がる続編「呪いの子」があります。
▪️本編はこちらの記事で。
ハリーポッター関連作品
短編集や、物語の中で出てきた「物語」や「教科書」も出版されています。
- 吟遊詩人ビードルの物語
- クイディッチ今昔
- 幻の動物とその生息地
- ホグワーツ 勇気と苦難と 危険な道楽
- ホグワーツ 権力と政治と 悪戯好きの ポルターガイスト
- ホグワーツ 不完全 & 非確実
- ハリー・ポッター魔法ワールド大図鑑
▪️関連本はこちらで
ハリーポッター公式ガイドブック
2023年に発売されたのが、初めてのハリーポッター公式ガイドブック。
これまで、映画版のガイドブックや図鑑などはたくさん発売されていました。
ですが、この「魔法ワールド大図鑑」は小説のハリーポッターに基づくガイドブックで、J.K.ローリングが著者となっています。
物語の中の、あのシーン、あのセリフ。
それからいわゆる「専門用語」(笑)が素敵なイラストともに解説され、まさに図鑑の形にまとめ直されたものです。
本を読んでいて、もう1つはっきりイメージが浮かばない時などに、横に開いておけば、物語の世界により深くスムーズに入り込める本です。
短編:The prequel story
potter moreというサイトにローリングが書き下ろした短編がたくさんあります。
現在は別のサイトで、英語のみですがたくさんの作品が掲載されています。
電子書籍になっている「エッセイ集」もこの短編作品の一部です。
が、そこに書かれたもの「以外」にも、もう1つ作品があります。
それが・・
The prequel story
ハリーポッターが生まれる3年前、ジェイムズ・ポッターとシリウス・ブラックが登場する短編です。
チャリティーオークションのために書き下ろされたもので、正式な本などにはなっていません。
ネット上で読めますし、日本語に訳してくれているサイトもあったりします。
個人的には本にしてほしい…
話題になった当初、「ポストカード」的な感じで販売されていたようですが・・。
今はまぁ・・プレミア価格でAmazonに売っています。涙
ハリーポッターシリーズ:ファンタスティック・ビースト
映画作品がファンタスティック・ビースト。
J.K.ローリングが脚本を書いています。
1920年代の魔法界を舞台に、魔法界を恐怖に陥れたもう一人の魔法使い「グリンデルバルド」との戦いが描かれます。
ハリーポッター以外にも!子ども向けのハリポタ原作者作品
ここからはハリーポッター以外の作品を紹介します。
まずは子ども向けのものから。
イッカボッグ
コロナ禍で外に出られない子供たちのために、無料で公開されていたのが「イッカボッグ」という物語。
J.K.ローリングにとって、自身の子どもたちのための作品となっていた「イッカボッグ」でしたが、コロナをきっかけに公開され、出版されました。
小説というより、童話に近い雰囲気です。
物語の「語り部」がいて、時々お話を聞いている子供たちに問いかけたり、話しかけたりする部分があります。
英語ですが、ローリング自身が朗読してくれている映像も。
これこそ子ども向け・・・
と思ってしばらく放置していたのですが、これがまぁ・・面白い!!
大人が読んでも面白い。
子ども向けのグリム童話とかって、実は子ども向けで話を単純にしているからこその「残酷さ」みたいなものがあります。
この「イッカボッグ」も、そう。
結構残酷です。
残酷ですし、途中までは「あぁそういう説教ね」みたいに思います。
ですが、それもまた作者の仕掛けた「ミスリード」。
浅はかな理解と、分かった感は本当に最後までしまっておくべきだなと、物語に関係のないところで教訓を得てしまったりします。
物語はハリーポッターと同様にとんでもなく良く練られています。
二転三転する・・なんて安い言葉で紹介したくはないですが、やっぱり、「こう行くのかな?」と思ったら、「え????そっち???」みたいな。
なんだか思考が世界線を飛び越える感覚は健在です。
そして、ハリーポッターと同様に、どうしようもない欲望と汚さにまみれた人間の悪い部分と共に、優しさや思いやりが物語を支えています。
ハリーポッターみたいな物語を、J.K.ローリングの文章で読みたい・・!!
そう思っているなら、もう嬉しくなっちゃう作品です。
しかも結構分厚い。
クリスマス・ピッグ
さらに、もっと子ども向けの物語。
ハリーポッター原作者の「大人向け」作品
続いて、「大人向け」の作品。
カジュアル・ベイカンシー
ハリーポッターが完結した後、別名義で出版された小説があります。
2012年に発表された「カジュアル・ベイカンシー」。
超・大人向けです。
現在は、著者が「J.K.ローリング」になっていますが、当初は著者を明かさずに出版されていました。
思いっきり「社会問題」に切り込むので、ハリーポッターの世界の延長で読むと、「!!!!!!」ってなります。
当時高校生くらいで、もう数ページ読んでびっくりして本を閉じてしまったのですが、J.K.ローリング自身の経験を知れば、納得のいく内容だったんだと思います。
・・しかしいまだに私は再挑戦できていません。
ロバート・ガルブレイス「私立探偵コーモラン・ストライク」
「J.K.ローリング」という名前も、そもそもハリーポッターを発表した時のペンネームですが、別のペンネームで現在も続くシリーズものの小説を書いています。
“ロバート・ガルブレイス(Robert Galbraith)”のペンネームで執筆しているのが「私立探偵コーモラン・ストライク」という作品。
なんと、日本語訳は2作品目で止まっていました・・。
その上、カッコウの呼び声(上)以外は、中古でしか見つかりませんでした。(2024/2/22調べ)
ですが、イギリスではBBCでドラマ化もされているんだそうです。
ドラマを日本で見るにはU-NEXTとAmazonプライムビデオ
超わかりにくいのですが、2024/2/22に調べたところ、日本で見るには・・
パート1というくくりでドラマが「7本」あって、本で言うと3作品目までがAmazonプライムビデオでレンタルできます。
そして、シーズン4を飛ばして・・
U-NEXTでシーズン5の「乱れし血潮」が独占・見放題配信されています。
発売年 | 邦題 | 原題 |
---|---|---|
2013年 | カッコウの呼び声 | The Cuckoo’s Calling |
2014年 | カイコの紡ぐ嘘 | The Silkworm |
2015年 | 悪しき者たち | Career of Evil |
2018年 | リーサル・ホワイト | Lethal White |
2020年 | 乱れし血潮 | Troubled Blood |
2022年 | – | The Ink Black Heart |
2023年 | – | The Running Grave |
英語版の本は、Amazonで購入できます。
し、kindle版も購入できます。
英語版「Cormoran Strike 」
①The Cuckoo’s Calling
②The Silkworm
③Career of Evil
④Lethal White
⑤Troubled Blood
⑥The Ink Black Heart
⑦The Running Grave
ドラマを観て、なんとかあらすじを入れて、その上で英語版に挑戦するしかなさそうです・・。
ハリーポッターでの挑戦が試されます。
まとめ
J.K.ローリングについて、彼女の書いた作品をまとめました。
ハリーポッターで満足してましたし、ファンタビと呪いの子くらいまでで止まってました。
子ども向けの童話・・と侮っていた「イッカボッグ」に、いい意味でめちゃくちゃ裏切られました。
なんだか子ども向けなのに、ちょっと物騒・・なんて思ったのですが、彼女の歩いてきた人生・観てきたものを重ねてみると、ハリーポッターにも通じる根っこの部分に気づくことができます。
伝えたいこと、伝えなければならないと思っていること・・というべきでしょうか。
さらに、実は今もシリーズものの小説を書き続けている・・と知って
なんてこと・・!!
となりました。
ちょっと日本語と英語の壁はありますが、これはこれで良いチャンス。
もう少し、J.K.ローリングの世界に浸りたいな・・というあなたの参考になれば嬉しいです。